野外研究施設


: 各施設の利用可能性のレベル:a自由に利用可; b協議が必要

A:林冠観測用ゴンドラ(林冠クレーン)

日本で唯一設置されている林冠観測用ゴンドラで、世界でも4番目に建設されました。ミズナラ、カエデなどが優先する天然林 内に設置されており、アクセスが可能な樹種は、イタヤカエデ、オオモミジ、ハウチワカエデ、ウダイカンバ、サワシバ、アサダ、ミズキ、カツラ、アオダモ、 ヤマグワ、キタコブシ、ホオノキ、キハダ、シウリザクラ、ミヤマザクラ、ミズナラ、ハクウンボク、シナノキ、オオバボダイジュなどです。
 樹木の水分生理と成長の解析、個葉の光合成能やフェノロジー、開花・結実の年変動などの調査が行われています。
※設置測器:温湿度計、雨量計、風向・風速計、モニタリング用カメラ類

B:ジャングルジム

単管パイプを用いて3次元的に樹木の間を縫って建てられているため、上層木から下層木に至る全ての枝の末端まで観察できま す。林冠クレーン近傍の大型ジャングルジムでは、ミズナラ、イタヤカエデ、オオモミジ、オオバボダイジュ、アサダ、サワシバ、ミズキ、アズキナシ、アオダ モ、ハクウンボク、シウリザクラなどの観察が可能です。林内には大小あわせて十基近く設置されています。
 デンドロメータによる樹木の直径成長の季節変化、階層ごとの個葉の光合成特性、光の分布、葉量の測定や、これらを併せた群落光合成の推定、階層ごとの飛翔性昆虫の調査、食害の観察などの調査が行われています。詳細はこちら

C:林冠アクセスタワー

カラマツ林や薬用広葉樹林などに数基、樹冠観察用に設置されています。

自立式一本梯子
 現在7基(アオダモが3基、ハクウンボクが2基、アズキナシが2基)が設置されています。各樹種について、開花・結実の年変動、貯蔵物質量の季節的・年次的変動、個葉の光合成特性の調査に用いられています。

D:フラックスタワー

林内の気象を1時間ごとに測定しており、国内では2番目に長い観測の歴史を持っています。AsiaFlux内の登録サイトにもなっています。
※設置測器:日射計、反射計、光量子計、放射収支計、土壌水分土計、気温計、湿度計、地温計、超音波風速温度計、水蒸気変動計、赤外線ガス分析計、二酸化炭素濃度計

北方系針葉樹見本林

林内を縦貫する市道沿いに植林されています(132、140、129、133、139、134、138、136、137、 401、409、212林班)。植栽樹種は、イチイ科(イチイ属3種)、ヒノキ科(ヒノキ属3種、ネズコ属1種、イブキ属4種)、マツ科(カラマツ属4 種、マツ属11種、モミ属7種、ツガ属1種、トウヒ属11種)の計45種で、植栽面積は約25haです。

E:シカ柵

森林内の低木や林床植物の構造や多様性に対するシカの影響を調査するために研究林内に高さ2m、総延長2.3kmの柵が構築されています。シカを導入したエンクロージャー、排除したエクスクロージャー、野外の比較調査が継続されています(主担当:和歌山研究林・揚妻)。

F:森林観測塔(稼働停止)

気温、風向風速、日照時間、湿度、気圧、雨量など気象データを測定しているほか、Webカメラによって研究林周辺の画像を連続撮影しています。

野外研究施設
A:林冠クレーン、B:ジャングルジム、C:自立式一本梯子、D:フラックスタワー
、E:シカ柵、F:森林観測塔


屋内研究施設

化学実験室・生物実験室

おもな実験機器として、CNアナライザ、ガスクロマトグラフィー、分光光度計、フーリエ変換分光計、クリーンベンチ、オートクレーブ、マッフル炉、メディカルフリーザー、ツルグレン装置などが設置されています。

動物実験室(通称 虫小屋)

捕獲後の哺乳類の測定や、サンプリングしてきた昆虫などを飼育しています。機材としては育成用の恒温槽などが設置されています。

森林資料館

研究林に関する資料を所蔵しています。常時施錠しているため、利用には事務所への届出が必要です。ただし、一般公開日は一般者の見学も可能です(春~秋、1日/月 詳細は一般公開)。
※展示物:森林生物標本(樹木、哺乳類、鳥類、菌類(キノコ)昆虫)、木製品、木を利用した生活用品など

森林記念館

旧森林資料館。現在は資料類の保管に使われています。国指定有形文化財に定められています。ただし、一般公開日は一般者の見学も可能です(春~秋、1日/月 詳細は一般公開)。

その他

駐車場

市道を挟んだ、茶色い「研究林庁舎」の向かい側にある駐車場は、研究林来訪者(一般の方)用の駐車場で、約50台駐車可能です(観光目的の大型バスは駐車不可)。 敷地内には大径木の材や歴代の重機も展示されています。

長期・短期宿泊施設

学生、研究者を対象にした宿泊施設です。長期・短期ともに宿泊施設を利用できる対象者は『北海道大学の教員、技術職員お よび学生、他大学の教員又は学生で、教育・研究または実験、実習等のため、施設を利用する者。センター教員と共同研究のため、施設を利用する者。その他、 林長が適当と認めた者。短期宿舎は原則として、教員および実習生に限る。』と定められています。 定員は、長期宿舎が最大12名(自炊)、短期宿舎が38名(食事提供可)です。

※宿泊手続き
・研究林事務所にメール・電話で宿泊施設の空き状況確認・予約をしてください。

 長期宿舎短期宿舎の2種類の宿泊施設があるので、確認する際はどちらを希望するかも合わせてお知らせください。
・空き状況確認・予約後は、先に研究林の「施設利用申請」を行ってから、宿泊利用開始の4週間前までに「宿泊施設利用申請書」を提出してください。→申込書ダウンロード
・宿泊初日の8:30から17:00の間に、研究林事務室の窓口で料金の精算手続きをしてください。

※料金
 【長期宿舎】 (11月中旬ごろ~4月中旬ごろは宿泊不可)

  施設使用料(※)

     夏期(5月-10月) 320円(1泊当たり)

     冬期(11月-4月) 460円(1泊当たり)

  寝具クリーニング代   980円(1回2週間までの滞在当たり)
  その他雑費      50円(1泊当たり)

   (参考) 夏期の1泊2日の場合 合計1,350円

 【短期宿舎】

  施設使用料(※)

     夏期(5月-10月) 380円(1泊当たり)

     冬期(11月-4月) 410円(1泊当たり)

  寝具クリーニング代  1,160円(1回2週間までの滞在当たり)

  その他雑費       50円(1泊当たり)

  食事代 朝食500円、昼食600円(市販弁当)、夕食1,300円 <実習利用時の食事代は別単価> 

   (参考) 夏期の1泊2日(3食あり)の場合 合計3,990円

 

(※) 北海道大学の教職員・学生等は施設使用料を納付する必要がありません。